家でも簡単に作れるパン。
おいしいパンを作るために、一番大切なことは材料をきちんと計量することです。
特にイーストの量がポイント。
多く入れればふっくら大きくなるのでは?と思われがちですが、本当にそうでしょうか?
今回はパン作りのためのイーストの役割と適正量、イーストの量が多すぎた場合と少なすぎた場合はどうなるのかをまとめて紹介します。
イーストの量を間違えてしまった場合の対処方法の参考にもなりますよ。
おいしいパンを作るために、是非参考にしてください。
イーストの役目は?酵母やベーキングパウダーとの違いを解説
イーストは小麦粉で作った生地を膨らませるために使います。
でも小麦粉の生地を膨らませるためには他のものも使いますよね。
代表的なものはベーキングパウダー。
またよく「天然酵母パン」という言葉も聞きます。
天然酵母ってイーストとは違うのかどうか、いまさら質問しにくいことをまとめてみました。
ベーキングパウダー
ベーキングパウダーも小麦粉を膨らませるために使いますが、主にスポンジケーキやクッキーなどに使われます。
徹底的な違いは生地の膨らみ方です。
ベーキングパウダーは、化学反応を利用して、ガスが小麦粉の生地をもちあげます。
重曹が主成分なのですが、重曹だけですと化学反応が起こらず、嫌な匂いだけが残る場合があります。
そのような欠点を取り除いて、生地に入れるだけで膨らませるようにしたものがベーキングパウダーです。
ベーキングパウダーのみの場合、スコーンなど甘みの少ないパンがわりになるものが作れますが、いわゆるパンにはなりません。
天然酵母
酵母は、パンだけではなく、醤油やワイン、チーズなどを作る時に必要な菌で、目的に合わせてビール酵母、ワイン酵母、味噌酵母などと呼んでいます。
発酵の仕方や強さにも差がありますが、天然酵母はそのような酵母の中から時にパン作りに適した酵母を合わせて作っています。
酵母によって若干香りが異なりますが、滑らかな味わいがあると言われています。
イースト
イーストは、酵母の中でも特に膨らむ力の強い酵母を種類限定で人工的に増殖させて作られています。
そのため、初心者でも比較的失敗なくパンを作ることが可能です。
イーストにな生イーストとドライイーストがあります。
生イースト
生イーストは、白っぽい粘土のような見た目と触感を持っています。
湿っていてねっとりとしており、力を入れると崩れます。
そのままでもイースト独特の匂いがしますが、古くなると色が濃くなり乾燥してしまうので、保存方法に注意が必要です。
お砂糖の多い生地も満遍なく膨らませるというメリットがあります。
ドライイースト
ドライイーストは、生イーストを乾燥させて作られたもので、粒状でサラサラしています。
安定した発酵力を持ち、生イーストに比べると長期間保存できるため、家庭でパンを作る場合は初心者も失敗しにくいです。
作る前にぬるま湯に入れて予備発酵をしますが、最近では予備発酵をせずに直接生地に入れるインスタントドライイーストがあります。
欠点としては砂糖をたくさん使った生地の場合、生イーストに比べると膨らみにくいことです。
イーストの適切な量
ドライイーストを生イーストの代わりに使う場合は、目安として生イーストはドライイーストの倍量が必要です。
生イースト10gという場合、ドライイーストなら5gという計算になります。
ただし、前にも書いたように生地に含まれる砂糖の量や発酵の時間にもよることなども考えてイーストの量を変えていく必要があります。
発酵時間が2〜3時間の場合
パン作りのための発酵時間は合計して2〜3時間が一般的です。
その場合、粉に対して2〜3%の量、つまり100gに対して2〜3gです。
慣れない場合1kgもの粉はこねにくいので、300〜400gほどのレシピが一般的。
400gとして、8〜12gということになります。
低温発酵で発酵時間が長い場合
低温発酵というのは、冷蔵庫に入れてじっくりと発酵させる方法です。
メリットは寝る前に冷蔵庫に仕込んでおけば、朝は整形して焼くだけでパンを作れるため、毎朝焼きたてのパンが食べられることです。
低温発酵の場合は、粉類の0.5〜1.5%で十分膨らみます。
400gの場合、2〜6g程度です。
砂糖の量やバターなどの油脂類の量で調節します。
多すぎる少なすぎる場合に起こる現象
パンを作る場合、最も大事なことは
イーストの量が適切
であることです。
おいしいパンは焼きたてだけではなく、冷めた後もふわふわしています。
多すぎる場合や少なすぎる場合にどのようなパンができるのかを紹介します。
パン作りで失敗した理由を知ると次にきっとおいしいパンが焼けますよ。
イーストの量が多すぎる場合
ふんわりふくらませたくてたくさんイーストを入れるとどうなってしまうのかを紹介します。
反対に下記のような状態になった原因はイーストが多すぎたことが原因です。
次回は上手に焼けるようにイーストの量を調節しましょう。
熟成度が少なく、やわらかさがない
イーストが多いと発酵時間が短くなります。
そのため、低温でじっくり発酵させる場合は、イーストの量を少なめにすると書きました。
つまり、
たくさんイーストを使うと発酵時間が短く
なります。
発酵している時間はただパンが膨らむように菌が増えているだけではありません。
発酵している間に、粉も水分を吸って滑らかに熟成されます。
つまり発酵時間が短くなることで、
生地が滑らかになる前にオーブンに入れなくてはならなくなります。
パンが膨らまない
イーストをたくさん入れると、イーストが発酵するために大量の砂糖を使ってしまいます。
すると砂糖が足りなくなり、しっとり感が減ります。
また、その時点で発酵が止まってしまいます。
発酵時間が短くなっている上、発酵が止まってしまうという状態です。
そのまま、発酵時間をいつもの通りにしていると一旦膨らんだ生地がしぼんでしまい、べチョッとした状態になってしまいます。
結果、
膨らまない固いパン
が出来上がります。
焼き色がきれいにならない
砂糖は味わいだけではなく、パンの焼き色にも影響します。
溶き卵を塗る場合もありますが、塗らない方が味わいのある色合いです。
しかし、イースト過剰で砂糖を使ってしまい、白っぽい色に仕上がってしまいます。
独特の臭いがする
イーストの量が多すぎて、砂糖不足で発酵が止まってしまい活性しないイーストが残ってしまうと臭いもそのまま。
おいしそうな匂いにはなりません。
イーストの量が少なすぎる場合
イーストは、少しでも含んでいればパンはだんだんふくらんできます。
ただ、時間がかかるだけです。
生地が十分にふくらんでいないのに、時間だけをチェックして焼いてしまったらもちろんあまりふくらまないパンになってしまいます。
イーストの量は目安ですからその日の湿気やその他の材料によって適正量が左右されます。
パンを触ってふくらみ状態をチェックして作業をしてください。
また、計り間違えてしまうこともありますよね。
イーストをうっかり少なくいれてしまった場合は、発酵時間を伸ばしてパンがふくらむのを待ってからガス抜きをして形作りをするようにしてください。
じっくり熟成したパンは口当たりの良いおいしいパンになりますよ。
まとめ
パンをふくらませるために、生イーストや天然酵母などもありますが、ドライイーストがやはり使いやすいのでおすすめです。
慣れてから天然酵母などに挑戦しましょう。
ふくらんだおいしいパンを作りたいからとイーストをいれすぎるのはNG。
イーストが多すぎると、
- ふくらまない
- 独特の臭いがする
- 固いパン
になってしまいます。
適正量は粉の2〜3%を目安にして、きちんと計ることが成功の第一歩です。
おいしいパン作りにトライしてくださいね。
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