サクサクとした食感とバターの風味が食欲をそそるデニッシュはデニッシュペストリーとも呼ばれ、季節のフルーツ等トッピングのバリエーションも多くその華やかな見た目にお店で見かけるとついつい手を伸ばしてしまう人も多いのではないでしょうか。
デニッシュとは?
そもそも「デニッシュ」という言葉は「デンマークの」という意味です。
というわけでデニッシュはデンマーク発祥のパンかと思いきや、デンマークではオーストリアのウィーンが発祥であると言われているそうで「ヴィーナーボズ」(ウィーンのパン)と呼ばれています。
何だかややこしいですがデンマーク周辺の国々でももちろん非常に親しまれており、誕生日やクリスマスにはケーキの代わりに「クリンゲル」と呼ばれる大きなデニッシュペストリーを皆で切り分けて食べる習慣があります。
そしてデニッシュが日本に伝わったのは1959年、タカギベーカリーの創業者高木俊介氏がデンマークのコペンハーゲンに立ち寄り、ホテル・ヨーロッパの朝食で食べたデニッシュペストリーの美味しさとデンマーク人のやさしさに心打たれて日本のパン職人たちにデニッシュの素晴らしい味わいを伝えたのです。
そして日本のパン職人達は何と実物を見ないままに高木氏から伝え聞いた情報のみでデニッシュを作りました。
すべての材料を一緒に混ぜたりと試行錯誤を重ね、出来上がったのは本場のデニッシュとは違う「デンマークロール」というパンでした。
しかしバターたっぷりのリッチな配合と上に乗ったフォンダンの甘味に人々は虜になり、これまでにない洋風のおやつとして人気を博したのです。
デニッシュ特有の生地
そんなデニッシュのサクサクとした生地はバターを何層にも折り込んで作られます。
そしてパイ生地のようになった生地を伸ばしてカスタードクリーム等を塗り、ロールケーキのように巻いて切り分けてからオーブンで焼き上げるのです。
生地にフィリング(詰め物)を入れたり上にチョコなどを乗せてトッピングにしたり、切り分けたものを花形や丸形の型に入れて成型してから焼く等、仕上がりのバリエーションが実に多彩であることもデニッシュの魅力です。
またホワイトソースやベーコンを巻き込んだグラタンのような味わいのものもあり、菓子パンとしてだけではなくメインの食事パンにもなってしまうという幅広さも持ち合わせています。
一口にデニッシュと言っても色々な種類があり、これからどんな新しいデニッシュに出会えるのかとても楽しみですね。
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