「パンの生地を分割するときに注意する点は?」
「手で生地を分割するのはダメ?」
パン作りの工程ではガス抜きが終わったら続いて生地の分割を行っていきます。
つまり、これまではパンを何個作ろうが生地を一つにまとめて作ってきましたが、このタイミングで必要な個数に分割する作業を行います。
生地を分割する際に注意する点としては、
それぞれのパンの重さを均等にすること
が重要になってきます。
なぜならもしそれぞれのパンの重さが異なってしまうと、最後の仕上げである焼成の際にムラが出来てしまうからです。
そのため作業自体は簡単ではありますが、集中して行う必要があります。
そこで今回はパン作りの工程である生地の分割について、重要なポイントやコツをご紹介させて頂きます。
温度・湿度に注意
早速パン生地を分割…の前にこの作業を始める前には注意点が一つあります。
それは室内の温度や湿度に要注意ということです。
パン生地の分割、またその後に行う丸めの作業では、パン生地を室内に出すことになるため、温度や湿度によっては生地が乾いてしまったり、反対に濡れてしまうということが発生します。
特に夏や冬などの温度や湿度が大幅に変化する季節は注意が必要です。
生地の状態を良好に保つためには、室内の環境を整えることが必要で、場合によっては加湿器やエアコンを利用するようにしましょう。
また、冬場は生地にビニールをかけることでも乾燥を防げますので、必要に応じて使い分けを行いましょう。
生地の分割のポイント・コツ
ここからは実際にパン生地を分割する際のポイントをご紹介させて頂きます。
生地の分割には、スケッパーと呼ばれる道具を使用して行います。
「スケッパーが無いから手で分割しちゃおう…」
と考えたくもなりますが、手で分割すると生地内のガスが外に押し出されてしまうことになり、せっかくできた気泡が潰れてしまいます。
その結果、出来上がりのパンの風味を損ねてしまう場合がありますので、必ずスケッパーを使用しましょう。
生地を分割する際のポイントとしては切り口を短くすることを意識して、素早く切り分けていきます。
こちらもあまり切り口が大きくなってしまうと、気泡が潰れてしまいますので注意が必要です。
また、分割に時間がかかると先ほどの項目でお話しさせて頂いた通り生地が乾いてしまったり、また発酵が進んでしまったりもします。
ここで生地の発酵が進んでしまうと二次発酵がうまく出来なくなってしまいますので、手早く行うようにしましょう。
分割がひと段落したら、今度は個々のパン生地の重さが均等になるように調整を行っていきます。
冒頭でもご紹介させて頂きましたが、それぞれパン生地の重さが異なってしまうと、最後の焼き上がりの際にムラが出来てしまいます。
そのため分割した生地が均等な重さになるようにはかりで重さを量りながら、小さい生地を足して調節をしていきます。
このときに気を付けたいのは、
分割した生地の集合体にならない
ようにすることです。
なるべく一度といった最小限の調節で済ますようにします。
生地の丸めのポイント・コツ
パン生地を均等に分割することが出来たら、次に丸めの作業に入ります。
生地の丸めは、
生地に空気を取り込んで新しい気泡を作ること
が目的です。
実際に丸めていく際は、先ほどの分割で出来た切り口を他の部分の生地でふさぐことを意識しましょう。
ここでしっかりと切り口をふさぐことが出来ると、パンはきめの細かいふんわりとした焼き上がりになります。
ただし注意したいのは、
生地の丸めすぎ
です。
丸めすぎるとパン生地からガスが抜けてしまい、気泡が潰れてしまいます。
また、丸めることで空気を取り込めますが、逆に取り込みすぎると過発酵が起こりますので、焼きあがったパンのパサつきの原因にもなります。
気泡を潰さないためにも、パン生地を引っ張ったり丸めすぎたりしないように気を付けましょう。
また、生地が濡れていると手粉を使いたくなりますが、こういった生地の状態は捏ね上げ温度が低いか発酵室の湿度が高い状態で起こるものです。
そのためミキシングや一次発酵で失敗している可能性があるので、それまでの生地の作り方を見直してみると、同じ失敗をせずにすみます。
ミキシングの工程
一次発酵の工程
まとめ
今回はパン生地の分割におけるコツと、パン生地を丸める際のポイントをご紹介させて頂きました。
分割というとただパン生地を分けるだけだと思ってしまいますが、
- 気泡が潰れないように素早く行うこと
- 温度や湿度に注意すること
- 重さを均等に分割すること
と結構注意すべき点がありますね。
また丸めの作業でも丸めすぎてしまうとかえって気泡が潰れてしまうため、やり過ぎないように注意しましょう。
分割が終わればベンチタイムで生地をお休みさせていく作業に移っていきます。
最後までお読みいただきましてありがとうございました。
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