「ベンチタイムはどのように行えばいいの?」
「なぜベンチタイムが必要なの?」
パン生地の分割、そして丸めの作業が終わったらベンチタイムという作業に入っていきます。
ベンチタイムとはパン作りにおいて生地の分割後にパンを休ませる工程のことを指します。
なぜベンチタイムを取る必要があるのでしょうか?
ベンチタイムの目的は、
パン生地を伸ばしやすくするため
に必要な作業になります。
これまでの作業でパン生地が引き締まっていて、この後の成型で形を変化させることがうまくできません。
少しお休みさせることでパン生地に伸展性が戻ってきて伸ばしたりすることが出来るようになるのです。
そこで今回はパン生地の工程であるベンチタイムについて、目的や作業のコツなどをご紹介させて頂きます。
なぜベンチタイムを行うのか?
冒頭でも少しご紹介させて頂きましたが、パン生地を分割させて丸めた後にベンチタイムと呼ばれる生地を休めせる工程に入ります。
ベンチタイムを行う目的としては、
パン生地を成型出来るように進展性を復活させること
になります。
前の工程であるパン生地を分割し丸める段階で、実はパン生地は傷ついてしまっています。
パン生地というものは分割したり丸めることにより、生地が縮んでしまい伸展性がなくなります。
そのような状態ではパン生地がぎゅっと引き締まって、上手い具合に伸ばすことが出来ず成型をうまく行うことができません。
そのためパン生地を休ませ伸展性を復活させるために、ベンチタイムは大切な時間になるのです。
ちなみにこのパン生地を休ませる工程を「ベンチタイム」と呼ばれるようになった由来には、
「パン作り工程においてパン職人がベンチで休憩していたことから」
「パン生地をベンチで休ませていたことから」
など諸説ありますが、ベンチタイムはパンづくりにおいてとても重要な行程になります。
そのため同じようにベンチに座って休憩せず、優しくパン生地の様子を見守りましょう。
ベンチタイムを行う時間
ベンチタイムでゆっくり休ませる必要があることは分かりましたが、どの程度の時間を行えばよいのでしょうか?
パン生地の進展性を回復させるのは温度が温かいところでは早く、反対に寒いところではゆっくりと進みます。
また生地の配合や分割の大きさ、生地の丸めの強さにも左右されてきます。
そのため本来ならパン生地の状態を見ながらベンチタイムの時間を決めることが望ましいです。
・・・が、パン作りの経験が豊富でないとそんなの難しいですよね?
そこでベンチタイムの目安としては約15~20分くらいと言われています。
ベンチタイムの時間は短すぎるとパン生地が引き締まったままなので、生地を伸ばすことが出来ず成型がうまく行えません。
またベンチタイム中も生地は緩やかに発酵しているため、逆にベンチタイムを長く取りすぎると焼いた際のふくらみが悪くなったり、また過度に伸展性が与えられ成型しづらくなることもあります。
ベンチタイム時の乾燥に注意
ベンチタイムを行う際の注意点として乾燥です。
パン生地はとても乾燥に弱く、乾燥してしまうと表面がガサガサな生地になるばかりでなく膨らまなくなってしまいます。
そのためベンチタイム中は生地が乾燥しないように注意しましょう。
ベンチタイム中の生地の乾燥を防ぐ方法には、
- 生地をビニールで覆う方法
- 蓋つきのケースに入れる方法
- 電子レンジの庫内に入れる方法
などが良いとされていますので、こちらを是非試してみて頂ければと思います。
ただ、
- 生地の上から硬く絞った濡れ布巾を被せる方法
- 霧吹きで水をかける方法
などの方法もあるのですが、これだと布巾に生地がくっついてしまったり水分が多くなってしまい、成型がしづらくなる原因にもなってしまいますので、注意が必要です。
他にも乾燥を防ぐ方法として、バットに並べシャワーキャップを被せるというおもしろい方法を試されている方もいらっしゃいますので、ご自分に合った方法で試してみてくださいね。
まとめ
今回はパン作りの工程であるベンチタイムについてご紹介させて頂きましたが、いかがでしたでしょうか?
ベンチタイムはパン生地を休ませることですが、休ませる目的としてパン生地の進展性を復活させて成型しやすくさせるということになります。
注意すべき点としては、時間と乾燥になります。
ベンチタイムを行う時間の目安としては15~20分ほどで、短すぎても長すぎても上手く成型させることが出来ません。
また乾燥を防ぐために以下の3点の方法などでベンチタイムを行っていくようにしましょう。
- 生地をビニールで覆う方法
- 蓋つきのケースに入れる方法
- 電子レンジの庫内に入れる方法
ここでしっかりとパン生地を休ませることが出来たら、次は成型の工程に入っていきます。
最後までお読みいただきましてありがとうございました。
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