パン職人さんが愛用している「上皿さお秤」という昔ながらの秤があります。
この秤は主に上皿、さお、さおについたおもり、増しおもりという部分で出来ています。
上皿は量りたい物をのせる皿です。
さおの片方は上皿と連動するようになっており、もう片方には増しおもりをぶら下げる部分があります。
その間に支点があり、支店を中心にさおが動きます。
さおには目盛りがついており、それに沿って動くおもりもついています。
上皿に量りたい物を乗せると、上皿に連結したさおがシーソーのように動きます。
竿が水平になるように増しおもりを増減します。
だいたい水平になったら、竿についたおもりを動かして微調整します。
完全に水平になったら、増しおもりの重さとさおのおもりの目盛りの重さを合計すれば、乗せた物の重さが分かる仕組みです。
パン作りのどの工程で使用するか
パン職人さんは、こねたパン生地を小分けにする時にこの秤を使います。
使い方は一般的な使用法とは逆で、先に量りたい重さを決め、それに合わせて増しおもりとさおのおもりを設定しておきます。
それからパン生地を分けて上皿に乗せ、竿が水平になるかどうかで重さが分かる仕組みです。
さおの動きを見て、生地が重すぎたら減らし、軽すぎたら増やして調整します。
熟練した人は竿が水平になるまで待つのでは無く、竿が上下するスピードで重すぎるか軽すぎるかを見極めます。
竿が下がる途中に見極める人、1回も上にあてずに見極める人などいます。
秤の特徴
原料を図るときは、デジタル式の秤を使うことが多くなっていますが、生地の重さを量るときは、上皿さお秤にこだわる職人さんが沢山います。
確かに先に重さを決めてしまえる上皿さお秤は、直感的に作業出来るので、効率がとても良さそうです。
例えば100gの生地を沢山作りたいとき。
上皿さお秤なら、さおの動きを見ながら釣り合うか合わないか、動きが落ち着くまでに予測して、生地の量を調節することが出来ます。
しかしデジタルのはかりではどうでしょうか。
一旦生地を乗せたら、どうしても数値を読み取る必要があります。
「今110gだから、10g多い」
「これで80gなので、あと20g増やさないといけない」
など考えながら作業する必要があり、時間ロスが出てしまいます。
秤のおすすめ商品
田中衡機工業所製の上皿さお秤は、国家検定合格品で安心できる品質です。
本格的な生地を沢山作りたい人や、パン職人の気分を味わいたい人にお勧めです。
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