このようなお悩みをお持ちの方に向けて、パン作りの工程について解説させて頂きます。
パン作りはただ材料を混ぜるだけではなく、様々な工程を経てパンが作られます。
そしてその工程一つ一つに意味があります。
今回はパン作りの工程についてまとめさせて頂きましたので、いきなり作り始める前にまずは基本工程を覚えていきましょう。
私は自宅でパンを作り始めて約5年が経ちました。
今でも毎週2回はパンを作っていますので、パン作りの基本的な部分はお任せください。
パン作りの基本工程
早速、パン作りの基本工程を解説していきます。
パン作りは全部で9つの工程がありますので、それぞれの工程の内容と意味をまとめていきます。
パン作りの工程①:材料の計量
まずは、パン作りの材料を計量していく作業になります。
手ごねで行う場合は、はかりの上にボールをおいて0にリセット、重さを計量しながら材料を入れて、また0にリセットしてと繰り返しながら、材料を入れていきます。
ホームベーカリーの場合は、計量した材料をそれぞれホームベーカリーの容器に入れていきます。
この材料の計量でポイントになるのは、正確に計量を行うことが出来るか、になります。
パンをふっくら焼くためには発酵が重要になるのですが、材料の計量が正確で無いと発酵が上手くいかず、発酵され過ぎてしまう過発酵という現象やイーストを入れ過ぎてしまうとイースト臭いパンが出来上がってしまいます。
パン作りで気を付けたい過発酵とは?原因と対策・救済方法までご紹介
このような現象にならないように、計量スプーンやデジタルのはかりを使い正確に材料を計量出来るようにしましょう。
パン作りの工程②:ミキシング
材料の計量が終わったら、次に材料をまぜてこねる作業に入っていきます。
この作業工程のことをミキシングと呼びます。
このミキシングは、強力粉の中にあるグルテンと呼ばれるタンパク質を形成していくのが目的です。
このグルテンという物質が、この後にある発酵作業の役割を果たしており、ここでグルテンがしっかりと作れないと発酵も失敗に終わります。
パンにはソフトパンとハードパンという大きく2つの種類に分かれますが、それぞれでこね方は変わります。
柔らかいソフトパンの生地は、こね台などにたたいてよくこねることがポイントです。
硬いハードパンの生地は、手で押しながら短時間こねて、次の発酵作業に時間をかけるようにします。
なお、ホームベーカリーでパン生地を作る場合は、この作業は自動で行われます。
パン作りの工程③:一次発酵
ミキシング作業が終わったら、次に一次発酵の作業に入ります。
この一次発酵のポイントとしては、イースト菌が働きやすい環境をどれだけ作り上げるか、ということになります。
先ほどのミキシング作業で作ったグルテン膜の中に、イースト菌が糖分を分解して炭酸ガスを発生させることで、パン生地が膨らみ発酵していきます。
そのため、イースト菌を働きやすくすればするほど、しっかりと発酵が行われることになります。
一次発酵のやり方は色々ありますが、オーブンレンジや発酵機を使って発酵させる方法や、季節によっては部屋の中でラップをしておくだけで発酵させたりも出来ます。
このイースト菌の働きを左右させるのが温度と湿度になるので、パン作りするときの季節や天気はとても重要になってきます。
発酵状態を見極めるのが自分の指で判断するフィンガーテストで、発酵したパン生地に指を入れてできた穴がほとんど戻らないようであれば、発酵完了のサインということになります。
レシピなどに書かれている発酵時間は一般的なもので、その日によって適切な時間は変わりますので、自分でテストを行いながら失敗しないようにしましょう。
なお、ホームベーカリーでパン生地を作る場合は、この作業も自動で行われます。
パン作りの工程④:ガス抜き
一次発酵で膨らんだ生地を手でゆっくりと押しながら、生地の中のガスを抜いていきます。
この作業をガス抜きと呼びます。
このガス抜きの作業は、まばらだった炭酸ガスの気泡が揃い、次に発酵させる時によりパン生地が膨らむようにさせるのが目的です、
ガスを抜くだけでなく新しい空気をパン生地の中に取り込むことが出来ますので、その空気がイースト菌の働きをより活性化させることになります。
パン作りの工程⑤:分割
ガス抜きの後に、パン生地を分割して丸めていきます。
分割する際に重要になるのは、重さをそれぞれ均等に分割することになります。
重さが異なると最後焼くときに、生地毎に焼きムラが出来てしまい、最悪の場合は一部生焼けという状態になりかねません。
そのため、生地をデジタルはかりで計測しながら分割していくようにしましょう。
また分割する際は、手で行わずスケッパーを使って切ることも重要です。
ちぎってしまうと、せっかく作ったグルテンが破壊されてしまうので注意です。
分割した後にそれぞれの生地を丸めていきますが、グルテン組織の強度をさらに強くさせるために生地をこね台にこすりながら、表面を張らせるようにしていきましょう。
パン作りの工程⑥:ベンチタイム
生地の分割が終わったら、ベンチタイムと呼ばれる休憩の時間に入ります。
生地をビニールで覆ったり、蓋つきのケースに入れたりしてパン生地を休ませていきます。
このベンチタイムの目的は、生地をゆるめてより伸ばしやすい生地にすることです。
そのため発酵のように長時間行う必要は無く、短時間休ませれば問題ありません。
ただし生地が乾燥してしまわないように、全てのパン生地をビニールで覆ったりして休ませることが重要です。
パン作りの工程⑦:成形
パン生地をベンチタイムで休ませて生地に伸展性が復活したら、次に成形の作業に入ります。
ここではそれぞれの出来上がりのパン生地になるように、形を整えていきます。
重要なポイントになってくるのは、どれだけ手早く行うことが出来るか、になります。
なぜなら長時間、パン生地を外に出しておくと、室温や手の温度によってパンの生地の温度が上がっていきます。
そうすると、パン生地の中にあるバターなどが溶けだしてきてしまうことがあります。
パン作りの工程⑧:二次発酵
成形してパン生地の形を整えたら、次に二次発酵を行います。
この作業は最終発酵やホイロとも呼ばれることがあります。
パン生地を焼く前に最後にもう一度発酵させて、パン生地を膨らませる作業になります。
ここではイースト菌を最大限活性化させる必要があるため、より働きやすい30度~35度の温度で発酵を行わせることが重要です。
ただし二次発酵を行いすぎてしまうと、逆に生地がだれてしまい焼いてもふっくらと仕上がらなくなってしまいます。
元の生地が1.5~2倍くらいになったら、もうそれ以上は膨らみませんので、次の工程に移りましょう。
パン作りの工程⑨:焼成
二次発酵でしっかりと生地が膨らんだら、ついに最後の工程である焼成、つまりパン生地を焼く作業に入ります。
パンの種類によって変わりますが、食パンなどは180℃~200℃の温度で30~40分ほど焼きます。
この焼成で一番重要なポイントは、オーブンをしっかりと予熱しておくこと、になります。
オーブンがちゃんと高温になってから入れることで、ふんわりとした焼き上がりになります。
この予熱を忘れてしまうと、固くて味の悪いパンが出来上がってしまいますので、注意してください。
そして、パンが焼きあがった後に少し衝撃を与えてあげます。
こうすることで、しっかりと水蒸気を飛ばすことが出来るので、より美味しいパンになります。
まとめ
今回はパン作りの作業工程について、それぞれを解説させて頂きました。
パン作りで重要になるのは、生地を発酵させることであり、その発酵に向けてそれぞれの工程で準備を行っていきます。
これから初めてパンを作る方も、パン作りで失敗してしまった方も、それぞれの作業工程の意味を理解して、美味しいパンを作っていきましょう。
最後までお読みいただきましてありがとうございました。
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